全てをくれたあなたに
「・・・うん、昨日よりは大分いいわ。」
喉は乾いてない?とストローのささったペットボトルの水を差し出してくる。
私はそれを咥えると少し吸ってこくん、と飲み込んだ。
スーッと食堂を通っていく水。
その感覚は久し振りで、視界はどんどん滲んでいった。
『これは・・・何?』
ぽたぽたと布団の上にシミを作っていく水。
頬を伝ったそれは口の中に入る。
・・・しょっぱい。
頭の上に落ちてきた水滴に驚き、心配そうに真白を見つめる黒猫。
溢れる涙に戸惑う真白を悲しそうに、だが嬉しそうに見る凛。