全てをくれたあなたに
『龍二。』
「なんだ?」
『銀司からただならぬものを感じる。』
「あ?なんだそれ?」
私の発言に眉間にシワを寄せながら銀司に目を向ける。
「あぁ・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・真白は知らなくていい。」
『何、今の間?』
こてん、と首を傾けると肩にかかっていた髪の毛がこぼれ落ち、首筋があらわになった。
「あああああああああっ駄目だ!」
『っ!?』
「みゃっ!」
突然の銀司の大声にびくつく私と子猫。
「だめだめだめ、真白ちゃんはダメだ。
龍二に殺される・・・抑えろ俺、頑張れ俺・・・」
勢いよく私から離れ、部屋の隅でしゃがみ込み何やらぶつぶつと唱える銀司。
『龍二・・・』
「気にするな。」