全てをくれたあなたに
『あっ、それよりこの子の名前つけなきゃ・・・』
んー、何がいいだろうか。
確か、この子と出会った日は満月だった。
『・・・ルナ、ルナでいいかな?』
「みゃあ」
顔を近づけると嬉しそうに擦り寄ってくる。
『貴方の名前はルナ、よ。』
私とルナの馴れ合いを見て、
「真白、俺は構ってくれないのかよ。」
拗ねた大きな猫が抱きついてきた。
と言っても、私の怪我を気遣ってか包み込むような形だが。
『龍二も拗ねるのね?』
全くそう見えないのに、と付け足すと今度はむっとした顔になって、
「悪いかよ。」
と私の長い髪の毛を弄り出した。