ヤンデレ~禁断恋愛~
1話ー沖田さんと束縛ー
「うぅ、寒い…」
私の名前は○○。皆からはど天然と言われています。というより、常識がわからない…それも問題ですね。
こう見えても沖田さんの彼女。沖田総悟さんの、ね?

「○○ !」
「あ、おはよう!」
10分も早い。沖田さんは気を使ってくれたんだ…。
「○○…待たせてごめんなァ…。」
「まっ待ってなんかいないよっ!」
寒いからか声が裏返り、おまけに「クシュンッ」と、くしゃみまで出る。
あー、ばれちゃったかも…
かなりのヲタクな私は漫画のお決まりの展開に憧れてこんなことをしたんだけど…失敗。これじゃ風邪引くわ。
「○○」
怖い顔をして沖田さんは手袋をとる。

『ほんと、お前の顔みてるとムカつく』

「ごめん…ごめんなさい!!許して、殴らないでっ…!」
涙が溢れる。昔の彼を思い出す。年上の彼は何度も私を殴った。デートに三分遅刻。料理を焦がす。お店を予約していない。
愛している人は、私を愛してはいなかった。
だから沖田さんが怖くない人だと分かっていても、反射的に言ってしまう。
ハッとした。
沖田さんは固まっている。
「○○…!」
「あ…!」
ぐいっと強引に手を引かれる。
怖い。なんでこんなに怖いんだろう?
涙は乾き始めたが、震えが止まらない。ブルブルと肩が小刻みに動く気がする。

「ちょっとっ…どこ行くの?!」
無言のまま、彼氏は歩く。
「沖田さん!どこ行くのって聞いてんじゃっ…」
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