意地悪したいの。
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「...へ?」
『だぁーから、ぼくに逆らうの?』
哀しそうな微笑みが、
...黒のオーラを纏った笑みに変わって、
ずいっと顔を近づけてきた先輩。
「なっ..、逆らうって..」
『キミ、まだ1年生でしょ?』
ふふっ、と首を傾げながら、
真っ白な指で、
私の胸元にある名札を引っ張った。
『それに、君が"馬鹿"なんて、
言われなくても分かってるからね。』
「..は?」
意味がわからなくて、
ん?と首を傾げると、
『ほら。』
と、目の前に出された紙。
目を凝らして、それを読む。
「んーと?入学式後、
各クラスで...説明会!??」
『はい、君 初日から終わったねー!』
だから、廊下に新入生がいないのか...。
道理でおかしいと思った。
「...怒られますよね、」
『んー?じゃあ、今から行けば?』
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「...恥ずかしいじゃないですか、そんなの。」
『しょうがないでしょ、でも行かないと後で痛い目見るよ多分。』
静まり返った教室に今更入る?
絶対白い目で見られる。
初日から笑いものだ。
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「..まじか...」
がくん、と肩を落とした私を見て、
愉しそうに口角を上げた先輩。
『一つだけ、怒られない方法あるよ。』
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