意地悪したいの。
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「...な、なんでですか?」
『はぁ?そんな事も分かんないの?』
面倒臭そうな表情をした先輩は、
はぁー。と長く溜息をつくと。
私を見つめて、ふふっと
いやらしく口角を上げた。
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『ほんと、馬鹿だね。』
「...っ、」
そのとき、先輩の手が
私の顎を掴んで
俯く私の顔を無理やり上げた。
そして...
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『...ちゃんと、僕を見ろ。』
「っ...、」
アーモンド型の黒目がちな目が、
じっ..と私を見つめた。
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『いい?要するに、僕が生徒会勧誘を
君にしたから、君は説明会に行けなかった。』
「え、そうなんですか?」
勧誘される前から、
説明会ある事なんて知らなかったけど。
『ん...?じゃあ、やっぱり素直に諦める?』
「嫌です!嫌です!」
"じゃあ...''
「っ....!?きゃっ、」
『....生徒会、入るよね?』
顎を掴んでいた先輩の手が、
ゆったりと、私の背中に回って
「なっ、いきなり何ですか!
離してくださいよ..!」
『うるさいなー。大人しくしててくれない?』
そうは言っても、
抱きしめられてる訳だし、
だって、背中に先輩の腕
回ってるし。
先輩が話す度に、
耳に掛かる吐息。
「ぅ...ぁ、」
全身の血が、
顔に集まってくるのを感じて
思わず目を瞑る。
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『出来たよー。』
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