無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
そして……
見ればみるほど素敵な目をした人だった。
「あの…… 宙さん
今日はバレンタインなのに、一日中何も予定がないんですか?」
「ええ、前にも言いましたけど社畜ですからね
あなたとの予定だけです
そういえばあなたこそ、メールで言っていた彼とは?」
「あ……
昨日義理チョコを渡して、お断りしました」
そうじゃなかったら、昨夜あなたとあんなことになるはずないじゃない……
どうしてそんなことを聞くの? と胸のうちで抗議しながら拗ねて、
少し悲しくなってミルクティに視線を落とすと、上のほうから囁くような声が降りてきた。
「よかった ちゃんと報告聞いてなかったから」
上目づかいで見上げると、身を乗り出すようにしてテーブルに肘をついた宙はニッコリと微笑んでいる。