無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

「何がいい?」

「え?」


 ユキは一瞬にして指輪が浮かんだが、

いくらなんでも早すぎると口から出さずに呑み込んだ。



「何か身に着ける物がいいな」と宙が言う。


 その言葉だけでうれしくて胸がいっぱいになってしまう自分は、

本当にもうどうかしてると思いながら


「うれしい」と呟いた。


宙が立ち止まってユキを振り返った小さなジュエリーショップ。

「え?」

「見てみようか

 高すぎて買えなかったらごめんね」


 一番安いやつでいい、どうか手頃な物がありますように……そう思いながら手を引かれて入った店内。

 ショーケースの中には可愛らしい宝石が並んでいた。
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