無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 ツツっと宙の袖を引っ張って


「宙さん、高いっ もっと安い物で十分です

 プラチナじゃなくてシルバーでも……」


 と耳打ちしたが、宙はクスッと笑うだけだ。


「言ったでしょ、僕は普通のサラリーマンだけど社畜だって

 お金を使う時間もないし、これくらいなら大丈夫」


 結局ユキは、宙が最初に選んでくれたハートのネックレスを選んだ。



 ネックレスが入った小さな紙バックを手に、ユキは胸がいっぱいになった。


「私も、私もあなたにプレゼントしたい

 何かずっと身につけていられるもの

 あ! ボールペンはどう?」


「ん? ああ

 うんうん ボールペンほしいな」



 二人で選んでユキが買ったのはスイス製のボールペンでネックレスよりいくらか安かったが、

それでもユキの気が済んだ。
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