無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 じゃあまたって何時?


  次はどこで会うの? 



 今ここで思ったところでどうにもならないことをあれやこれやと並べながら、


唇を噛んでユキは自分の心と戦った。




 夜十時、

 婚約者とのデートから帰った真優を出迎えた時、

婚約者の車が見えなくなるまで見送る真優の少し後ろに立っていたユキは、いままでと違う思いでその様子を見守っていた。


 真優が今にも泣き出しそうに見えたのは、自分の姿を重ねたからかもしれなかった……。





『おやすみ ユキ』

『おやすみ 宙』


 そんな短いメールが、かけがえのない幸せなメールに思える夜だった。
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