無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
  ***



 コトッと、ほんの小さな音をたててカップを置いた鈴木を見上げて

「人生薔薇色だねぇ」

 と、西園寺常務が言う。


 ピン と、パソコンの画面を弾いた常務は

「謎のイケメン、LaLaの恋人か」と読みあげ


「君、いつの間にイケメンになって

 いつの間にLaLaの恋人になったの?」 と、茶化す。



 鈴木が画面を覗くと

「あぁ―― なるほど

 これはボカしてはありますが、パントムのロビーですね」


 蘭々とパントムのエレベーター前で会い、そのまま一階のバーで食事をした時の写真が大きく映し出されていた。

 週刊誌に載っていた記事がネットに流れたのだろう。
< 252 / 316 >

この作品をシェア

pagetop