無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 パソコンの画面を見ながら首を傾げるユキの手元で、ブルブルとスマートフォンが揺れた。


 宙からのメールに胸をときめかせて開くと……。


『また仕事で忙しくなった

 しばらくメールもできないかもしれません

 ごめんね  宙』




「……」


 社畜の宙である。

 今までも何週間も音沙汰がないなんてことはよくあることだった。

 良いように考えれば、ただ音沙汰がないのではなく、こんな風にゴメンねと前もって伝えてくれるのは、二人の関係が変わったからではないか……。


 寂しい気持ちを飲みこんで、ユキは笑顔を作って文字を打った。



『大丈夫、

 気にしないでお仕事がんばって!  ユキ』
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