無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

「まじで?!」


「うん――

 冒険し過ぎちゃったのかな……私」



 親友の陽菜乃は零れるほど大きく目を見開いた。



 優等生の見本のようなユキが、ネットで知り合っただけの男に会い、

その日のうちに体を許したというのだから、これはもう大事件である。



「そんなに素敵な人だったの?」


「うん……

 目元がね、凛としているっていうか涼しげっていうか……

 笑うとこう細くなってね――素敵なの

 声も低めで耳に心地いい響きっていうか……」




「そっちのほうも上手だったのね」


「! な なによ急に……」




 でもユキは否定できなかった。


 キスだけだって、腰が抜けるほど上手だったのだから。
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