無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
花言葉 ―嫉妬の為の無実の犠牲 ―

 その日の夜、陽菜乃を相手にヤケ酒を飲んで帰ったユキは、

それから一週間の間、ベッドに潜り込む度に泣きながら寝た。



『ユキ……

 彼女と何か用事があったのかもしれないよ?』


『うん――そうかもしれないね

 彼女の為なら時間を作れるような用事が』


『ねー 見間違いってことないの?

 だってメガネ掛けてるなんて言った? 宙さん』


『彼に間違いないよ 一瞬わからなかったけど

 見間違ったりしない……』


『――そうなんだ…

 でも、もしかしたら何か本当に』


『よかったよ

 二回しか会ってないし

 大丈夫だよ陽菜乃 ごめんね心配かけて』


『―― ユキ……』
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