無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 男を信用しちゃいけないと、宙は言っていた……。


 恨んだりしていない。

 たとえ二日間だけでも心から幸せで、あんな風に楽しいバレンタインを過ごす事ができたのだから


 ……それでいい。



 待ったり追いかける自分にはなりたくなかった。


 信じるとか、そんなことも考えたくはなかった。


 少しでもそんなことを考えてしまったら、

 その思いに囚われてしまう……。


 日に日に寂しさが募った一週間。

 この一週間、買い物に出かければ、偶然でも道で出会うんじゃないだろうかと宙の姿を探し、


いつメールがあってもいいように、スマートフォンはバスルームまで持っていっていた。



 思い出したくないのに、頭に浮かんでしまうLaLaと宙の笑顔。

 ユキの弱々しい自尊心を打ち砕くにはあまりに強烈な二人の姿だった。


 これ以上宙を考えてしまえば、

嫉妬や不信で自分の心が歪んでしまう……。
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