無垢なメイドはクールな彼に溺愛される


  ***  




「―― ぇ?」

 自分の席でスマートフォンを開いていた鈴木の口から、思わず声が漏れた。


 またしてもユキに送ったはずのメールがエラーとなって返ってきた。


 返信で送ったのだからアドレスの間違いはない。

 一度目はメンテナンスか何かと首を捻ったが、時間をたっぷりと開けて二度目のメールも返ってくるのだから、これはユキがメールアドレスを変えたとしか思えなかった。


 次にユキのブログを開いたが、ブログも削除されていた。



「……」



 信じられない思いでゴクリと息を飲んだ鈴木は、


耳の奥で『さようなら 宙さん』 ユキのそんな声が聞こえた気がした。
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