無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 それにしても、彼女に一体何があったのか……


『時間が出来たらメールします

 ごめんね  宙』


 その返事が気に入らなくて突然消えた?

 突然のニューヨーク行き。確かに一度もメールは送らなかった。

 いつ朝が来て夜が来たのかわからない毎日だったことに嘘偽りはないし、忙しくなるからメールを送れないと弁解もしておいたはずである。


 ということは、

 聡明なはずの彼女も、実は

『私と仕事とどっちが大事なの?』 というタイプの女性だったのか?



――崎田……

 青木邸の門で見かけた警備員の風貌を思い出すが、記憶は漠然としている。


 体格がよく男臭い男を絵に描いたような奴だったことは覚えているが、彼が崎田という男なのか?……
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