無垢なメイドはクールな彼に溺愛される



  ***




「警備員さんね、

 崎田さんから別の人に変わるんだってー」


「あら、そうなんですか」


 崎田がユキに交際を申し込むために辞めるという話は、もちろん内々の話である。

 仁も相手が遥人だから言ったことであり、聞かなかったことにしている桐谷遥人は

真優に崎田が交代する理由までは言わなかった。


「今度の人は近くに住んでるベテランさんだって」


「崎田さんは優秀な方なんですもんね、

 きっと引く手数多なんでしょう

 まあでも次の方も遥人さまが了解してくださった方なんですし

 安心ですよ」


 ユキに髪を整えてもらいながら女性雑誌を開いていた真優は


「あ、LaLaさんだ

 相変わらず綺麗だなぁ」 と、しげしげと溜め息をついた。



「あ!」
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