無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 場所は……?

 ユキを待ち伏せるとしたらどこで?


 様々なことを考えに考えて、

「……はぁ」

 鈴木は溜め息をついた。



―― いったい何を考えているんだ……


 ユキは自分の意思で連絡を絶った。

 それをしつこく追い回すのは、余りに女々しくこれではストーカーである……。


 彼女がもしも崎田を選ぶのなら、それはそれで受け入れてあげるのが真の男らしさではないのか?……。



 結局鈴木は夕方までマンションの部屋から出ることはなかった。



 時々時計を見つめ、一秒ごとに針が動く度にこの瞬間が過去になっていくことを思った。

 一秒が十分になり、やがて一時間二時間と時は過ぎてゆく……。
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