無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
真優は、ユキのような住み込みのメイドがいるほどの資産家、青木家のお嬢さまであるのに、世の中のお嬢さまに対する一般的なイメージとは異なっていて、履きなれたジーンズを愛用する元気が売りの女の子だ。
普通の家庭の娘のように公立の学校に通い、普通の女子大生のように就活をして無事、株式会社KIRITANIに就職した。
そして、職場で知り合った上司である御曹司桐谷遥人と恋に落ちたのである。
真優のイメージがどうあれお嬢さまと御曹司の恋は、結果的に何の問題もなく。
どちらの家柄にも条件にも何の問題もないカップルだった。
二人はほどなくしてスルスルと婚約し、今幸せの絶頂期にあった。
そんな真優にも苦労がある。
苦手だったパーティに出席し、上流階級でのお付き合いに慣れていかなくてはいけない。
自分だけならまだしも、青木家や遥人、桐谷家の評判を落とすようなことだけはしたくない。
「そうですね、うーん…
このワンピースはどうでしょう?お嬢さまお好きでしたよね?」
「うん」
「前開きで着替えやすいですしね、
あ、そうそう
ドレスの試着をなさるんでしたら、下着に気をつけてくださいね」
「なるほど! 下着ね!」
パーンと両手を合わせて、クローゼットの引き出しを開ける真優を見ながらユキは小さくため息をついた。
―― また一つ自分のすべき事が減った……
無邪気に感心して大きく頷く真優に微笑かけたユキは、心の隙間に木枯らしのような寂しい風を感じた。
真優のドレスを選ぶ役目がユキの手から遥人の手に移るように、
これからも少しづつ自分と真優との距離ができていくのだろう。
普通の家庭の娘のように公立の学校に通い、普通の女子大生のように就活をして無事、株式会社KIRITANIに就職した。
そして、職場で知り合った上司である御曹司桐谷遥人と恋に落ちたのである。
真優のイメージがどうあれお嬢さまと御曹司の恋は、結果的に何の問題もなく。
どちらの家柄にも条件にも何の問題もないカップルだった。
二人はほどなくしてスルスルと婚約し、今幸せの絶頂期にあった。
そんな真優にも苦労がある。
苦手だったパーティに出席し、上流階級でのお付き合いに慣れていかなくてはいけない。
自分だけならまだしも、青木家や遥人、桐谷家の評判を落とすようなことだけはしたくない。
「そうですね、うーん…
このワンピースはどうでしょう?お嬢さまお好きでしたよね?」
「うん」
「前開きで着替えやすいですしね、
あ、そうそう
ドレスの試着をなさるんでしたら、下着に気をつけてくださいね」
「なるほど! 下着ね!」
パーンと両手を合わせて、クローゼットの引き出しを開ける真優を見ながらユキは小さくため息をついた。
―― また一つ自分のすべき事が減った……
無邪気に感心して大きく頷く真優に微笑かけたユキは、心の隙間に木枯らしのような寂しい風を感じた。
真優のドレスを選ぶ役目がユキの手から遥人の手に移るように、
これからも少しづつ自分と真優との距離ができていくのだろう。