無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
 ユキが選んだのは、十着あるドレスの中で一番シンプルなシャンパンゴールドのドレスだった。


――肩も出過ぎていないし、
 これなら今後、友人の結婚式に参加する時にも着れるだろう


 鏡に映った自分をチラリと見て、恥ずかしそうに目を逸らしたユキは

「あのお給料からドレス代引いておいてください…」と、恐縮するが

「何言ってるの、これも仕事のうちなんだから必要経費よ、私からのプレゼント」

 ユキの心配をよそに、青木夫人はニコニコとうれしそうだ。



 そして

「あ、大石さん赤くなってるー」

 真優に揶揄われるほど、大石はユキに見惚れていた。
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