無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
 玄関先で大石を送りながら、ユキはふと気になった。

 どのドレスも試着をしてみるとサイズがピッタリだったのだ。

 ドレスによっては背中のファスナーを上げると
 体のラインにそのままフィットするものもあった……というのは偶然か?


「あの… ドレスのサイズって」

「あ、職業柄すいません、大体のサイズがわかるので…」

「えっ!」

 驚くユキを前に、
 少し申し訳なさそうに視線を泳がせた大石は、思い直したようにキュッと唇を噛んでユキを見つめた。


「私がユキさんに似合うだろうと選んだドレスです

 どのドレスもとてもよく似合って、予想通り……
 いや予想以上に本当に素敵でした」


 少し照れたように首を傾げた大石は、車の中に入ると窓を開け、
 にこやかな笑顔を残して青木邸を後にした。
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