無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
――そういえば……誘われているんだっけ


 車が見えなくなるまでボンヤリと大石の車を見つめていたユキは、
 あらためてどうしたものかと溜め息をついた。


 メールを送る勇気も、
 そうかと言って断るだけの決断もなくて、考えることから逃げていた……

 これでは相手に失礼だ……。


――断るにしてもまず、一度は外で会ってみようか……

大石の違う一面が見えるかもしれない




「どうしました?」

 !

 いつの間にか現れたのは、またしても崎田だ。


 ユキの隣に並んで、大石の車を睨みつけると、
「あのチャラ男に何かされましたか?」と崎田は言う。
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