無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
ユキの父は早くに亡くなり、青木家の住み込みのメイドになったユキの母が、女手一つでユキを育ててくれた。
子供の頃から真優の遊び相手になっいたユキにとって真優は、主従関係ではあるけれども五歳年下の妹のようでもある。
今まではなんでもユキ、ユキと頼ってきてくれたけれども、お嬢さまが桐谷家にお嫁に行ってしまえば…………
そこまで考えて、ユキは慌てたように沈み込んでしまいそうな気持ちを振り切った。
「さあお嬢さま、早くシャワーを浴びて着替えてくださいな
時間をたっぷりかけてお肌を整えましょう」
真優は、少し照れたように頬を染めて、
「うん」
タタタと小走りにバスルームに向かった。
***
―― 宙さん、やっぱり忙しいのかな…
ユキがブログをはじめたのは、大学を卒業した六年前だ。
ブログには、花の写真、猫の写真、街角の風景など一言の文字と一緒に綴っている。
その写真たちは、プライベートで外に出かけた時に撮ったもので、万が一にも身元が特定されることないよう写し方にも気を配っていた。
青木家に迷惑をかけることを極端に恐れているユキだ。
何がどんな問題になるかもわからないと、自分のすることなすことに細心の注意を払っている。
ただ一枚だけ、青木家にあるもので撮った写真がある。
それはハンドルネームに使っているアネモネの写真だった。
子供の頃から真優の遊び相手になっいたユキにとって真優は、主従関係ではあるけれども五歳年下の妹のようでもある。
今まではなんでもユキ、ユキと頼ってきてくれたけれども、お嬢さまが桐谷家にお嫁に行ってしまえば…………
そこまで考えて、ユキは慌てたように沈み込んでしまいそうな気持ちを振り切った。
「さあお嬢さま、早くシャワーを浴びて着替えてくださいな
時間をたっぷりかけてお肌を整えましょう」
真優は、少し照れたように頬を染めて、
「うん」
タタタと小走りにバスルームに向かった。
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―― 宙さん、やっぱり忙しいのかな…
ユキがブログをはじめたのは、大学を卒業した六年前だ。
ブログには、花の写真、猫の写真、街角の風景など一言の文字と一緒に綴っている。
その写真たちは、プライベートで外に出かけた時に撮ったもので、万が一にも身元が特定されることないよう写し方にも気を配っていた。
青木家に迷惑をかけることを極端に恐れているユキだ。
何がどんな問題になるかもわからないと、自分のすることなすことに細心の注意を払っている。
ただ一枚だけ、青木家にあるもので撮った写真がある。
それはハンドルネームに使っているアネモネの写真だった。