無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
花言葉 ―はかない夢― 
 時間は深夜の一時。

 かなり遅い時間には違いないがまだ大丈夫、取り繕える時間だ。


 そう思いながらスマートフォンを見ると、母の携帯電話からの着信が数件あった。

 慌ててリダイヤルを押し、

「そう そうなの!
 偶然友達にあって つい飲んじゃって
 今から帰るから
 うんうん ごめんごめん」

 とりあえず母に連絡を入れたユキは、
 急いで服を着て髪を整えて、不安な気持ちを抱えたままルームキーを握りしめ部屋を出た。




 チェックインをしたのはやはり友人Sという人物なのだろうか?

――自分にはまったく記憶がないので多分そうなのだろう。

置手紙のようなメモがあるということは、友人Sは部屋に戻らないつもり?

 チェックアウトをしていいのだろうか?


 目まぐるしく考えたが、なにもわからないのだから出る答えはなかった。
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