無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

　少々お待ちくださいと言ってフロントの中から出てきた女性は、

「お連れの方から頼まれていましたので、

　そろそろ様子を見に部屋に伺おうとしていたところでした」

　と、言う。


「？　　……そう――でしたか

　それは申し訳ありませんでした」



　そう答えたユキの顔に浮かんだ沢山の疑問符に気づいたのだろう。


　ニッコリと微笑んだ女性は、

「ご安心ください、私共がお客様の介抱をさせて頂きましたから」

　そう言って、最初にユキを安心させた。



　そしてフロントの女性は、ある男性がユキを連れてフロントに現れた時から順を追って説明してくれた。


　時間は十時頃。

　その男性が言うにはバー『Ｂｉｊｏｕ』で偶然ユキと一緒になったという。