無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
「ええ、そうなんですよ

 そのままお客様をベッドまで運んでくださいました」


「……そうなんですか」



 恥ずかしさで顔から火が出そうだったが、
謎の友人Sについて情報を得る機会は今しかない。


 ユキは更に踏み込んで話を合わせてみることにした。



 まずは無難な褒め言葉で……

「彼、モテるみたいですしね」そう言ってみると


「それはそうでしょうね!
 スラっと背は高くて、
 見惚れるほど素敵な目をしていらっしゃって…」


 夢をみるようにウットリとした女性は、そう言うと益々赤く頬を染める。


 若いというがどれくらい? Sの年齢は?

「…年より上にみられるらしいですよ」と、いい加減なことを言ってみると


「そうでしょうね

 ええ、二十代でなかなかあそこまで気が利く方はいらっしゃらないですもの」


 女性はうんうんと納得したように頷いた。
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