無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
 バーには一人で行った。

 考え事をしていたせいか、カクテルが美味しかったせいなのか、
途中から記憶が薄れてゆくが、確かにいつの間にか隣に話し相手がいた……。


 スーツを着た男性… 

   顔は? 名前は?



  『 大丈夫ですか? 』


 耳に心地よく響いた声の記憶はある……


 でも、どんなに意識を集中して思い出そうとしても、それ以上は思い出せない。


 ”友人S”

 本当に知っている人なの? 友人? S?



―― とにかく落ち着いて…大丈夫

 相手は清廉潔白な紳士だったのだから


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