無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
 怪しいところには行かなかったが、
記憶を無くすほど酔うという危ない事はしっかりとしていた。


 嘘をついたことにチクチクと心が疼いたが、今はそんなことを気にする余裕はない。

 心の中で崎田に『ごめんなさい』と謝って、怒っているぞと云わんばかりにユキは頬を膨らませ、ムッとしてみせた。 



「私を信用してください!」


 ユキの迫力に圧倒された崎田はウッと顎を引いたまま口ごもり、勝負に勝ったユキはそんな崎田をキッと睨んで、タタタと足早にその場を離れた。



「次回は帰れと言われても待ちますからね!」


「はーい

 でも次はないですから、大丈夫ですよ!」
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