無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

「夕べは、先日改装オープンしたパントムの『Bijou』に行ったのですが、
 カウンターしかありませんし、

 お話をされるには少し静か過ぎるかと……」


「そう……

 じゃそこにしようかな、行ったことがないし」


 できれば教えたくなかったと思いながら、鈴木は瞼を閉じてあきらめた。


「わかりました
 念のため予約を取っておきます」


 ホテルパントムの上層階。
 横に広がるカウンターだけのバー『Bijou』は、階下に広がる夜景を眺めながら、静かな時間を楽しむことが出来る。

 昨夜のようにパーティの喧騒で疲れた神経を休ませるには、うってつけの店だった。
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