無垢なメイドはクールな彼に溺愛される
悪意を持って復元してしまえば彼女の努力は空しいものになるだろうが、それでも今自分がしているように少しの間に中を見られたとしても何も情報を取られないのだから、一定の効果はあるだろう。
カウンターに軽く肘をついて寝ている彼女を振り返り、
どこまでも清潔であることを感じさせる横顔を見つめながら、
彼女に対して限りない興味が湧いた。
結局わかったことは、
ギャラリーを開いて現れた見覚えのある写真と
ただ一つインターネットのブックマークに残されているもの。
それは、よく知るブログ『月下美人』だった……。
「……」
チン
そこまで思い返したところで、エレベータ―が目的の階に着き、
開くボタンを押しながら、
鈴木は脳内スイッチを仕事に切り替えた。