無垢なメイドはクールな彼に溺愛される

 仕事が終わり、

 自分の部屋に戻ったユキはお風呂に入ってひと息つくと、

 カレンダーの前に立った。


 業者が持ってきた大きなカレンダーは
当月の翌月と二枚並べて貼ってある。


 桝の目の中の数字の下にそれぞれ広い余白があり、
ユキはそこに予定を書き込んでいる。



 なんとも合理的だが可愛げないのそのカレンダーにも、

バレンタインデーとの記載があった。




――バレンタインか……


 青木家で必要な義理チョコの類いは既に夫人と相談してとっくに手配済みだ。



 なのであまり気にしていなかったが――


 気が付けば、バレンタインまで残すところ数週間に迫っている。
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