瑠璃色の姫君
「フリュイ、なんでお前、カーラが騎士団にいたことを知っているんだ」
聞かずにはいられなかった質問をフリュイに投げかける。
空気は一変して、また意味の違う静寂に包まれた。
しばらくしても黙り込んでいるフリュイに、僕は自分のことから言おうと口を開いた。
「僕は、幼い頃オリーヴェンに行った時にレティシアと仲の良かったカーラと面識がある。カーラはそのこと覚えている?」
「ええ、覚えています」
「フリュイとはどうなんだ、彼と会ったことはあるか?」
「……すみません、記憶にないです」
そうだろうと思った。
と声に出そうとした時、フリュイがカラカラと笑った。
「何言ってんの、カーラ」
「……ごめんなさい、会ったことありました?」
「あるよ、恋話たくさんしたじゃない」
「え、あっ…! 嘘、ひ…」
「あ、その呼び方は今は無し。フリュイって呼んで」
「……はい」
フリュイに返事をしたカーラは、僕に「会ったことなかったというのは勘違いでした」と言った。
え?
今のこの数秒の間に何が起こった?
どういうことだ。
「お前は一体誰なんだ?」
すかさず、フリュイにこう尋ねる。
尋ねなくては気がすまなかった。