瑠璃色の姫君
は?
なんだって?
慌てて辺りを見回して、そこらを駆け回る僕。
そこにはフリュイの姿はなく。
「カーラ! 僕が倒れてからどうなったんだ!」
僕は焦りの滲む声でカーラにそう尋ねた。
「私は敵を1人倒し、フリュイ様の元へ援護に向かいました。その敵と戦っていると隙を見てそいつがバベル様の背後を取りました。バベル様が倒れてしまった後、バベル様と戦っていた男と2対2でやり合った結果……」
黙り込んだカーラを見て言わんとしていることがわかった。
僕はどうやら、戦っていたあの男をフリュイと戦っていたやつに背後から襲われたせいで、取り逃がしたらしい。
僕は何の役にも立てなかったということか。
僕がしっかりあの男を縛るところまでやっていれば、フリュイとカーラの相手はフリュイが戦っていた男1人との戦いになる。
そうなっていれば、2人の勝算があったかもしれないのに。
久しぶりの戦いだったからか、ツメが甘かったのだ。
情けない。
「ぐ、ううっ……」
「!?」
自己嫌悪に陥っている時、側からうめき声が聞こえ、僕の思考が停止した。
「こいつは…?」
どこか見覚えがあるようなないような顔をした体格のいい額に火傷の跡のような傷がある男。
誰だっけ……。
じっとその顔を見ていれば、カーラが「あっ!」と男を指差した。
「この人、私が倒した敵です!」
「あーなるほどー……」