瑠璃色の姫君
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彼の名前はアドルフ・バウアーと言う。
名前を聞いて、ああそんな名前だった、と思った。
元聖騎士があんな野蛮な奴らと一緒にいて何をしていたのだ、と聞いてみた。
どうやら奴らはオリーヴェンの王政が目を付けている悪者集団【ピーコック】というらしく、王政から指図されて潜入捜査をしている最中だったらしい。
「それは大変だったな、アドルフ」
「ええ。まあ、奴らからしたら俺はもう死んだことになっているだろうし奴らの悪事はもう資料に出来るから、今更仲間に戻っても意味はないでしょうね」
そう言って、王政からスパイをするように指図された期間がまだあるからその間だけなら僕の仲間になってくれると、あっさりと承諾してくれた。
カーラはそんなアドルフを終始、憧れの詰まったキラキラした瞳で見ていて、それは面白かった。
「それでアジトはどこなんだ?」
フリュイが攫われたのをここにいる3人は見ていないから確信があるわけではないが単純にいくと、そのアジトにフリュイは連れて行かれているはずだ。
「この先のプラネタリウムの近くです」
僕が王子であることが判明したことで、先ほどよりかしこまった言い方でアドルフがそう言った。
「プラネタリウムだと!?」
「ええ」
なんということだ。
僕とレティシアの思い出の場所に、あのような野蛮な奴らがアジトにしているだなんて。