瑠璃色の姫君




「気に入らないな。フリュイ奪還だけでなく、僕らのプラネタリウムを汚すそいつらを蹴散らしてやりたい」



拳を握りしめた僕に、カーラとアドルフは頷いた。


僕らの今一番の目的はそれとなった。


フリュイ奪還の傍、レティシア探しをするといった形になり、尻込みすることに気が引けたけれど。


それでも、フリュイだって僕の中では大切な人だ。


レティシアには申し訳ないけれど、そう決めて、僕は少しだけフリュイを優先させることにした。



「では、プラネタリウムに向かいます」


「カーラ、頼むね」


「はい」



そしてまた改めて、カーラの運転で走る馬車は、プラネタリウムに向かった。



走る馬車の中、僕はアドルフとゆっくりと話をした。



「ところで、バベル王子は行方不明だとお聞きしましたが今まで何を?」


「アドルフのところまでその話が届いていたのか?」


「ええ。王政のことに関してはあの集団ピーコックは敏感な奴らですから」


「へぇー。あ、それで行方不明の話だけど、レティシアを探すために城を出てきたんだ」


「瑠璃姫さまをですか! 左様ですかっ!」



あ、新鮮な反応。


ガレットもリーシャもゼノも、レティシアを探すと言ってもそう驚いていない様子をしてきたから、アドルフのこの反応はすごく新鮮だと感じた。





< 119 / 248 >

この作品をシェア

pagetop