瑠璃色の姫君
「今更なのですが、戦いの前までフリュイ様の肩にいた鷹はどこに行ったのでしょうか」
……!
度々ガレットの元へ僕らの旅の様子を伝えるために戻っていたルディだが、あの時は確かにフリュイの肩にいた。
ルディが今もフリュイの側にいたとすれば、僕の元へルディが帰ってくればフリュイのいる場所が一発でわかるのではないか。
「ルディを目印とする可能性があるな」
賢いフリュイのことだ、もしかしたらルディをこっちに寄越して助けを求めてくるかもしれない。
「カーラは前を、僕とアドルフは左右と上空に、フリュイを見つける手がかりがないか気にしていくことにしよう」
僕の提案に2人はキレのいい返事をした。
「さあ、急ごう!」
カーラが手綱を力強く引いた。
馬は、勢い良くプラネタリウムへと駆け走り始めた。
***
「フリュ、」
「待ってください、王子!」
「待ってられるか!」
「ダメです! 静かにしてください!!」
プラネタリウムを前に着いて早々に中に入ろうと馬車と飛び降りた僕は、アドルフに止められた。
思わずムスッとしてしまったが、そうだった。
この旅の中でフリュイの動きから、正面突破だけではいけなくて隠れたりしてタイミングを窺うことを学んだのだった。
このような潜入については経験豊富なアドルフには勝てないので、バタバタと動かしていた手足の動きと止め、アドルフを見上げた。