瑠璃色の姫君




そういえば、ここに来るまで注意を払ってはいたけれどルディの姿を見かけることはなかった。


フリュイと一緒にいてくれればいいけれど。


もしくはそれがなかったとしても、この中にいてくれればいいけれど。


……どうかな。


ルディ、役に立ってくれよ。



「行きますよ、準備はいいですか」



カーラが声を潜めて、プラネタリウムのドームの扉に手をかけた。



神様、どうか。


フリュイがこの中にいますように。



そう心の中で唱えたことでこんな時だが、フリュイがそれだけ自分の中で大事な存在だと改めて実感する。


ああ、フリュイの僕を呼ぶ声を聞きたくてたまらなくなった。


レティシアと変わらないくらいフリュイが恋しいのかもしれない。


今助けに行くよ、フリュイ。



「行こう」



何かあった時のために腰に付けてある剣の柄に手をつける。



「はい」



アドルフとカーラも同様に、武器に手をかける。


そうして強い意志の込められた返事が返ってきた。


フリュイを絶対に取り戻す。


そういう気が2人から伝わり、僕は口の端を上げた。



そして、カーラの指にゆっくりと力が加わっていき、その重そうな扉が開かれた。




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