瑠璃色の姫君
「ところで、ここに鷹は来なかったか?」
ピーコックの男全員の縄を解いて、プラネタリウムをアジトとするのをやめるよう成約を交わしたことで、和解した僕と彼ら。
彼らは数々の悪行を認め、心を洗い直したようで、今はプラネタリウムを掃除しているところだろう。
これからは、プラネタリウムを復興させるように彼らが進んで館内スタッフになると言ってくれて自ら掃除すると言いだしたのだ。
根っこのところは、ちゃんとした人間だったのだな、と思った。
先ほど一番初めに話の通じた男を外へ連れ出した僕は、彼ー……ジーノという名前らしい……にそう尋ね答えを待った。
「あーあれ鷹なんすね。鷹もオークションに連れて行かれましたよ」
「うげっ、嘘だろ」
「まじっす。首に黄色のリボンが付いてる鳥でしょう?」
「ああ…」
唯一の救いだと思っていたルディも捕まっていたなんて。
これでもし闇市にフリュイがいなかったら、ルディに頼るしかないのに。
「急ごう、早く行かねばならない!」
早く競りが始まる前に行かねば。
取り返しのつかぬことになる。
「君たち! ジーノを借りていく。あとは頼んだぞ!」
一度プラネタリウムの中へ顔を出した僕に、ピーコックの男共は笑顔で了解の意味として手を振った。
次にここに来るときは、一度城に戻って復興支援の為に様子見で来る時かもしれない。
どうか素敵なプラネタリウムになりますように。
そう願いながら、僕とカーラ、アドルフとジーノの4人は闇市に向かって歩み出した。