瑠璃色の姫君




「で、話はこれなんだけどさ」



カーラとアドルフが少し遠くに行ったのを確認して、フリュイからはい、と手紙を手渡された。


慌てて宛名を見るが何も書かれておらず、僕は封筒の中の便箋に手をかけた。



「あ、それさ」



便箋を取り出したところで、フリュイがその便箋を指差した。



「最後だって。心して読みなー」



早く中身を見たくてたまらなかったのに、途端に便箋を広げたくなくなった。


だって、少し寂しくなったのだ。



「読まないの?」


「……読む」


「うん」



ルディが僕の肩から、フリュイの肩に飛んだ。


気を利かせて、僕が1人でゆっくり読めるようにしてくれたのだろう。



ザアッと風で葉が舞い上がり、そして風が収まり葉が地面に落ちていく。



「バベル、どう? 感想聞いてもいい?」



手紙を封筒にしまい込む僕にそっと聞いてくるフリュイに、僕はニッと歯を見せて笑った。


その微笑みにフリュイは、なんとも不思議そうでもあり驚いているようでもある顔をして首を傾げた。



手紙には、こう書いてあったのだ。



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親愛なるバベル



バベルが私に求婚してくれる日が

1日でも早く訪れますように



レティシア


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この文を読んで、嬉しさで壊れそうになっているのは分かってもらえるだろうか。




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