瑠璃色の姫君




「どしたの、ぱちぱちして」


「お前、本当にフリュイか?」


「はぁ? 寝ぼけてんの?」



あ、毒吐いた。


フリュイだ。



あ、手紙ひったくられた。


確かにフリュイだ。



「王女ってさぁ、絶対ツンデレだよね」



探してほしいって言って姿くらませるくせに求婚待ってるとか可愛いよねぇ、と自分のことのように自慢気に言うフリュイ。


なんでフリュイが自慢してるんだよ。


それに、お前もツンデレだろうよ。



「お前が言うか」


「は。フリュイはツンデレじゃないし」


「んーまあツンが多すぎだもんな」


「うるさいな。王子らしい言葉遣いしなよ、たまに乱れてるよね」


「それこそ、うるさいわ」



べーだ! と舌を出して挑発されたので同じように仕返した。


それでさえも可愛く決まる美少年を憎いものだと感じたのは知らんふりしよう。


さあ、待ってて、レティシア。



「僕の時代はすぐそこだーっ」



大声で叫ぶとかアホか、と美少年の口から聞こえたのも知らんふりだ。





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