瑠璃色の姫君
不思議に思っていたんだ。
「なんであの手紙が最後だって知ってたんだ?」
「あーっと、会ったから……かな」
「かな?」
「いや、会ったの、会った会った」
言い淀むのが本当なのか怪しいけれど、会ったのなら話は大きくなる。
ぜひとも聞かせてもらいたいと思う。
「いつ、どこで!」
「いやぁ、地球が何回、回ってた時かはわかんない」
「そんなの聞いてない!」
「うぎゃっ。怖い怖い、もー怒んないでよ。ちょっとふざけただけじゃんよー」
口を尖らせたフリュイ。
尖らせたいのはむしろ僕の方だ。
「で、いつどこで会ったんだ?」
「プラネタリウム、じゃなくて今の間違いね」
「わかった、で?」
「闇市に連れて行かれる途中、木の上からこの手紙が落ちてきたんだよ」
「木の上から落ちてきたって?」
「そ、そう。それで木の上見たら王女がいたから、渡してほしいんだな、て思って拾ったんだ」
えぇ……。
そんな展開あるか?
ていうか、レティシア木の上にいたのかよ。
相変わらずのおてんばさんだな。