瑠璃色の姫君




「もお、なんだかバベルったら冷たくなったわね」


「そうかな」


「そうよ。だって貴方すんごーくモテたからどんな女にもニコニコしてたじゃないの」


「それは言っちゃ……!」


「何よ、本当のことじゃないの」



ああああ、もうやだ……。



「バベル。今の詳しく!」



ほらぁ……。


ここまで旅をしてきてわかったことは、何故かフリュイはレティシアへの気持ちが大きいということ。


要は、僕がレティシア以外の女性と一緒にいたりとかそういうのが好きじゃないのだ。


はっきり言えば嫌いなのだ。


オリーヴェン騎士団にいたカーラや、カフェ・レヴのオーナーの娘リーシャには親しくなったからか、僕が友人として彼女達を扱うからか、はっきりとした嫌悪感は抱いてなかったと思う。


だけど、行く先々で少しでも僕に声をかけてくる女性がいればシャーッと威嚇して僕から女を遠ざけていた程なのだ。



「王女以外にデレデレしてたの!?」


「断じてしてません」


「ちょっとくらいはしてたわよ」



あーもうーすぐ話に加わるんだから。


ロゼアが来たらこんがらがるのに!



「でもぉ、1番は私にデレデレしてたわよねぇ」



ちょっと本当に黙ってもらっていいですか、お姉さま。


僕はちらりとジルに目配せをして、ロゼアが静まるように指示を出す。



< 145 / 248 >

この作品をシェア

pagetop