瑠璃色の姫君
ふぅん、と楽しげにフリュイを見つめるオーナーはまた彼に質問をした。
「フリュイくんて、いつから桜色の瞳なの?」
「そりゃ生まれた時からですよ」
そりゃあそうだ。
瞳の色は変えられるわけがない。
「そうだね、そのようだねー」
フリュイから顔を離したオーナーは次に僕を見た。
「バベル、これ見覚えない?」
「うん?」
オーナーの手からは、僕の髪色と同じ金春色が見える。
と思ったら。
「ちょっと、オーナー!」
慌てた声を出したフリュイがバッとオーナーの手からそれが取り、その金春色が何なのか見えなくなった。
「いつ取ったんですか、これフリュイのですっ」
怒声をオーナーに向けるフリュイの手の中に収められたそれは、もう全く見えない。
さっきは金春色が見えただけだったから、オーナーが僕に見せたかったそれが一体何なのか見たかったのに。
「フリュイくん、そんなに怒らないで。ほんとごめーん」
「オーナーって、ちょっとムカつく」
「えーフリュイくんの生意気さには負けるよー」
「そんなことないと思いますけど」
いや、どちらもそう変わらないと思う。
じゃなくて。
「フリュイ、それ僕に見せて」
フリュイの拳を指差す。