瑠璃色の姫君




「そんなに不満そうにするなよー」



オーナーがカラカラと笑いながら僕に近付いてくる。



「だって、2人とも酷いんだよ」


「そうかそうか。ほれ、おデコ出せや」


「なっ、うげっ」



髪を掻き上げられ、額にオーナーの唇がついたのがわかった。


その感触に、思わず身震いした。



「俺からはこれだ! 指輪!」


「くわぁぁあ気持ち悪いっ! ハンカチどこのポケットに入れたっけ!」



その感触をとっとと取り除こうと慌ててハンカチを探す。


オーナーは胸を押さえてわざとらしく可哀想な顔をした。



「ブロークンハート……!」



ごめんオーナー! だけどさ!


さっきから3人とも何!?


見つけ出したハンカチでゴシゴシ額を力一杯拭きながら、僕は頭をぐるぐる回転させていた。



えーと。


桜色、ココア、指輪?


繋がりが全く見えないよ。



「みんな一体何が言いたいんだ?」


「それは自分で考えてほしいわね。貴重なヒントよ、よく考えて」



貴重なヒント?


ロゼアにとん、と額の真ん中を押される。


数歩下がった僕は、後ろにいたフリュイとぶつかった。



「うあっ、ごめん!」



慌てて謝るも、フリュイはなぜか固まっている。


そして、なぜか僕は彼にすごく睨まれている。


え、どうして。




< 167 / 248 >

この作品をシェア

pagetop