瑠璃色の姫君
***
「バベル、フリュイ、おかえり」
「ただいま、ガレット」
フリュイと出会って一番初めに行った店の前に、店主のガレットがいて僕らを迎えた。
久々だからか、テンションが高くなったフリュイがガレットに駆け寄る。
「わぁーっ、ガレット久しぶりー!」
「フリュイ、少したくましくなった?」
「へへんっ」
褒められたフリュイは、ここぞとばかりに胸を張った。
ガレットの店に着いたということは、とうとう、フリュイとの別れがすぐそことなったということだ。
シュトラントの街中までも、もうすぐだ。
「ルディとバイバイするの寂しいよ」
肩に乗った鷹のルディの顎をゴロゴロと撫でてフリュイが寂しげに言った。
ルディは、ガレットの店に返してからレティシアの元へ行こうと思っている。
だから、ここでお別れなのである。
「ガレット、ルディをありがとう。すごく役に立った」
「そりゃ良かった。だけど俺はまだ返してもらうつもりはないぞ」
「え?」
ルディが店の前のポストに飛び移る。
ガレットはルディに寄って、その首に巻かれている黄色いリボンに触れる。
「バベル、お前の旅の目的なんだ?」
「レティシアを見つけることだけど」
そう答えれば、だよな、とガレットが頷く。