瑠璃色の姫君
フリュイには、王子様としてじゃなくて共に旅をする仲間だと思ってもらいたいんだけどな。
……旅は始まったばかりだから今はいいか。
一応、納得してみるとする。
「それで、2人はどういう関係なんだ?」
再度ガレットに問われ、僕は「ああ、その話だったな」とガレットを見た。
「僕とフリュイは、一緒に旅をするんだ」
「そう! フリュイね、バベルに付いていくのだ!」
ガレットは、意外そうに目を丸くした。
「へぇ、てっきりフリュイはバベルのストーカーだと」
「はい? そんな風に見てたんですか。フリュイはストーカーじゃないですぅー」
「くく、冗談」
またからかわれたフリュイは、むすっとしてガレットを睨んだ。
「じゃあ、フリュイの旅の目的はなんだ?」
睨まれたのなんて物ともせず、ガレットは優しい口調で聞く。
「あ………っ」
驚いたようにした後、眉をひそめて固まったフリュイ。
不思議に思った僕は、フリュイを覗き込んだ。
「どうした、フリュイ」
「………」
変だな、反応がない。
覗き込んだ顔は、眉がひそめられたままだ。
……まずいことを聞いたか?
「おーい、フリュイー?」
ガレットが、机に頬杖をつきながらフリュイを呼べば、フリュイはびくりと肩を持ち上げた。
「……え、えーと」
言い淀むフリュイを見ていたら、旅の目的を言いたくないのだろうな、と感じて、僕は口を開いた。
「言いたくないなら言わなくてもいいよ」
「……へ?」
「言いたくないんでしょ? 別に強引に聞き出したりしないよ」
本当は、すごく気になるけど。