瑠璃色の姫君
というか、それを言ったらフリュイとの旅は終了というわけで。
パン屋まで付いてくるな、とフリュイから言われてるわけで。
となると、ここでお別れ……?
もう? 唐突じゃないか?
まだ、もう少し……。
フリュイの顔を見れば、少し寂しそうに笑っていて、何も言えなくなった。
手元のルリマツリに視線を落とす。
「フリュイの旅の目的はね」
そんな僕を覗き込んで、フリュイが話し出す。
「………バベルと旅をすること」
…………僕と、旅をすること?
「じゃあ、教えたからフリュイもう行くね」
………なんで?
「お腹すいちゃっててさ、早くセイラお姉ちゃんのパン食べたいんだ」
なんで、僕と旅をすることが目的?
「バベル、ありがとう。またね」
フリュイが僕にくるりと背を向け足を踏み出した。
「待て……!」
ハッとして、その腕を掴もうと伸ばした手はーーー
………空を切った。