瑠璃色の姫君
桜色、ココア、指輪。
それから、旅の中で散らばったヒント。
そう、例えばアレとか。
「…………ああ、そうだったんだ」
全て、繋がった。
「はいっ」
フリュイが、パチンと手を合わせる。
「では答えをどうぞ?」
どうやら、3分が経過したらしい。
頷いた僕は「せっかくだからベンチに座って話そう」と道の先にあるルリマツリに囲まれたチャペルの中にあるベンチへフリュイを誘導した。
「すごーい、ここ可愛いー!」
くるくると回りを見渡して、目をキラキラさせる君は、ハッとして僕の前にちょこんと座った。
「なんでフリュイがここにいるのか、わかった?」
不敵に微笑む君の瞳を、僕は見つめた。
「桜色の瞳」
「わ、何、覗き込んで来ないでよっ」
顔を近付けて更に近くでその瞳を見れば、顔を赤くして逸らされる。
その顔を更に覗き込んで、別れ際にジルからもらっていたクッキーを君に差し出す。
「美味しい?」
「うんっ、最高!」
頬に手を当ててぴょんと跳ねて美味しそうに食べるのを見て、僕は確信を持って言った。
「好きな飲み物、ココアだよね?」
「えっ、ち、ちちち違うよ!」
その動揺している様子を見て「そうか、違うのか」と納得するほど僕は馬鹿ではない。
そのクッキーは、ココア風味なのだ。
やっぱり、ココア好き、なんだね。