瑠璃色の姫君
デレデレとだらしなく頬を緩ませる僕の様子に侍女達は品よく微笑んで、僕らを2人きりにしてくれた。
パタン、と小さく音を立て部屋の扉が閉められた。
2人きりになった部屋。
照れ屋な彼女が僕の腕から抜け出そうともぞもぞ動き出す。
「バベル、離して」
「やだ。もうちょっとこのままがいい」
しばらく力を込めてそのまま抱きしめていたけれど、そろそろ怒られそうと思って彼女を離した。
そして、彼女と自分の額をコツンと合わせる。
「……ち、近い」
「レティ、可愛い」
旅の時はずっとすっぴんだったから、ほんのりと僕好みのメイクを施された彼女はいつもより可愛い。
あ、いつもだって当然可愛いんだけどね。
「……恥ずかしいです」
「急な敬語、トキメキます」
「ばかっ」
顔が真っ赤な君を見ていて、ふと気付いた。